2017年3月5日日曜日

米対シリア大規模地上部隊派遣はあるのか(ワシントン・ポストより)

米対ISIS戦略計画の草案が提出された事は先日述べた通り(http://kimk91fw.blogspot.jp/2017/02/isis.html)ですが、これに関連してワシントンポスト紙が興味深い記事を出しました。

Pentagon plan to seize Raqqa calls for significant increase in U.S. participation
(引用開始)
A Pentagon plan for the coming assault on Raqqa, the Islamic State capital in Syria, calls for significant U.S. military participation, including increased Special Operations forces, attack helicopters and artillery, and arms supplies to the main Syrian Kurdish and Arab fighting force on the ground, according to U.S. officials.
(引用終了)
特殊部隊、攻撃ヘリと各種火砲の増強、そして主要なクルド・アラブ武装勢力への武器供与の増大がラッカ攻略には必要…と、これだけ見るとオバマ政権の対ISIS路線を継承・拡大しているような印象です。

仮に米対シリア大規模地上部隊派遣がなされた場合、Al Babを経由して進軍するのではないか?との予想を先日行いましたが(http://kimk91fw.blogspot.jp/2017/02/isisal-bab.html) 、Al Bab南部にシリア政府軍が展開した関係でそれは不可能となった模様です。(野口雅昭先生のブログ参照:http://blog.livedoor.jp/abu_mustafa/archives/5181793.html)

この状況でトランプ政権は対シリア大規模地上部隊派遣決断に踏み切ることができるのか、そもそも国防総省の出した計画に大規模地上部隊派遣構想が含まれているのかどうか、今後とも注視が必要ですね。3月上旬に入り、トランプもそろそろ決断しなければならない時期に入りました。

(追記)
相互フォロワーの方にこの件に関し助言を求めたところ、快くお返事を頂きました。許可も得られましたゆえ、以下転載します。

 元となったCNBC(米NBC系統)の報道を見るに、 アナリストには1万人規模の派遣はなくとも、5000名程度を上限とする部隊の派遣を行うのではないか、といった分析をしている方もいるようです。現在シリアに派遣されている米軍(主に特殊部隊と見て良いのでしょう)が500名程度のことですから、最大でその10倍の数が新たに派遣される事となります。

この分析が正しいとすると、規模の面、そしてオバマ政権の取った特殊部隊による現地部隊支援+空爆・航空支援という戦略から逸脱し、米兵自らが戦闘に参加するという面からして、「大規模地上部隊派遣」という表現が適切ではないかと存じます。

問題はトルコとYPGとの確執、アサド政権・イラン・ロシアとの連絡、ラッカへの進軍ルート等山積していることは言うまでもありませんが…



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